4月。雨の朝。枯れ始めた桜が雨粒に倒れ、淀んだ水面に浮かんでいた。生徒たちは色とりどりの傘を持って高校の門をくぐった。 「おはよう、リアン」下駄箱の前でパンストを濡らしながらゆあに話しかけられる蓮。少し憂鬱なリアンが振り向くと、全身ずぶ濡れになった保見が飛び跳ねながら賑やかに話しているのが見えた。三人の女子生徒の不毛な会話が教室に新学期の到来を告げた。少女たちのかけがえのない大切な時間は飛び、季節は少しずつ移り変わっていく――。
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