大財閥の御曹司である九鬼文博は、11歳の時に父（村井國夫）から、この世に来た目的は世界に大災害をもたらす究極の悪になることだと告げられる。息子の変身を完成させるため、悪徳父親は初恋の人・香織を汚すことまでした。危機の瞬間、少年は父親を殺して逃走した。 10年以上の時が経ち、大人になった文郎（玉木宏）は姿を変え、新谷浩一という名で新たな人生を歩み始めた。新木優子演じる香織をあらゆる手段を使って捜し出し、それ以来彼女の周囲を巡回するようになり、香織を守るためなら再び人を殺すことも厭わなかった。その直後、光一の前世を知る異母兄・九鬼幹比古（中村達也）が、日本転覆を目論むテロリスト・伊藤良介（吉沢）と共謀し、香をも狙うことになる。本一は自らの過去と暗い運命と決別しなければならなかった… この映画は、芥川賞作家・中村文則の同名小説を映画化したもの。